「プランクは30秒以上やるのは意味ない」と言う前に、プランクを最大限生かすための効果的な新しいアプローチを実践しましょう。
プランクという体幹トレーニングは、ダイエット効果はもちろんのこと、腰痛の軽減にも有効です。
重要なのは強さを追求することではなく、適切なタイミングで実施することです。
たとえば、30秒間のプランクを実施する場合、一度に30秒間行うよりも、10秒ずつ3セットに分けて行うほうが効果を実感しやすくなります。
学生の頃、強さだけにこだわり続けた結果、怪我が絶えなかったことがあります。無理をすればするほど、実際のパフォーマンスは下がってしまうものです。
このため、周囲からは「才能が足りないのでは?」と冷やかされることもしばしば。医師からは「サッカーをやめなければ治らない」とまで言われました。
しかし、トレーニング方法を深く学んでいく中で、当時のトレーニング方法の間違いに気づくことができました。スタートの取り方がキーポイントです。
動き始める回数が多い方が、同じ30秒間でもトレーニングの効果が格段に向上します。プランクの目的に応じて、単に時間を計るだけでは逆効果となることもあります。
プランクの時間についての新常識
プランクの効果は、実は30秒を超えて続けてもそこまで変わらないかもしれません。体幹トレーニングにおいては、強さよりも適切なタイミングが何よりも重要です。
スムーズな動作と身体への負担を考慮すると、適切なタイミングで動き出すことが、腰痛を防ぐ鍵となります。
プランクの効果をより深く感じたいなら、実施する回数やトレーニングの種類を多様化させることが推奨されます。
プランクの効果的な時間配分
特定のスポーツ性能を高めたい場合、例えばラグビーのスクラムのような動きには、30秒以上のプランクが効果的です。
日本のラグビー代表チームのトレーニングをテレビで見たことがある方も多いでしょう。彼らは2分以上もプランクを行っています。
プランクの効果は、実施する時間によって変わることがあります。30秒以下で効果的な場合と、30秒を超えて行う方がより効果が高まる場合が存在します。
トレーニングの目的に応じて、適切な種目や時間を選ぶことが重要です。
プランクをマスターするための8つの多様な方法
プランクで望む効果を得るためには、特に「初動」や「実施タイミング」が非常に重要です。
これらの要素を強化するためには、様々なプランクの形式を取り入れることが効果的です。
簡単な動作から始め、徐々に複雑なバリエーションへとステップアップしていきましょう。
以下では、効果的なプランクのバリエーションをいくつかご紹介します。
フロントプランクの基本と進化
フロントプランクは、体の前後のバランスを鍛える基本的なエクササイズです。
この動作は矢状面での単純な運動パターンをとります。
「プランクは効果がない」という見出しについては、同じ単純な動きを繰り返すことで体が慣れてしまい、運動効果が頭打ちになるためです。
この基本が身についたら、次はさまざまなバリエーションに挑戦して、より複雑なプランクにも取り組みましょう。
動作のパターンを増やすことで、体の変化を実感できるはずです。
フロントプランクの応用:3点支持でチャレンジ
通常のフロントプランクで物足りなさを感じたら、片足を交互に上げる3点支持プランクを試してみましょう。特に腹筋に効果的で、お腹痩せにも一役買います。
このバリエーションは、両手と片足、または両足と片手のみで体を支えるため、通常の4点支持プランクよりも難易度が高くなります。
足を持ち上げる動作を加えることで、体を安定させながら行うため、通常のフロントプランクとは異なる運動効果を体感できるでしょう。
バランスボールを使ったプランクで全身を鍛える
バランスボールに両手を置いてプランクを行う「ステアザポッド」は、不安定なサーフェス上でのバランス取りが鍵です。
体がプルプルと震えるのは、その不安定さに対応しようと体が自動でバランスを取る反射作用が働いているからです。
さらに、ボールを前後に軽く動かすことで、前鋸筋や腹筋がより強く刺激されます。これにより、使用する筋肉のバリエーションが増え、より複雑なトレーニング効果を得ることができます。
異なる接触面(床とバランスボール)による感覚は、脳や神経、体性感覚を刺激し、より幅広いフィジカルトレーニングへと導きます。
バランスボールプランクで体幹を鍛える
バランスボールを使ってのプランク、「ステアザポッドサイクル」とは、体を固定した状態でボールをゆっくりと転がすことで、特に腹筋に強い効果をもたらします。
この方法は通常のクランチとは異なり、身体を伸ばした状態で行うため、腹筋が使いにくい状態になります。これによって、普段よりも高い負荷が腹部にかかり、腹筋を引き締めるのに非常に効果的です。
トレーニング中は体を動かさずにボールだけを転がすことで、伸ばした状態の腹筋を活動させ、体幹トレーニングをより実用的なものにします。
サイドプランクで全方向のバランスをマスター
サイドプランクは、身体を横向きにして行うプランクです。
フロントプランクとは異なり、このポーズは前後、左右、そして水平方向の3次元でバランスを要求します。片手と片足だけを地面につけることで、左右の体のバランスを整える効果があります。
横になることで、内耳の半規管にも刺激を与え、バランス感覚を鍛えることができます。このトレーニングは、身体の安定性を高めるのに特に有効です。
ハンドプランクリーチで感覚と安定性を高める
ハンドプランクリーチは、手のひらを床につけて行う体幹トレーニングです。手のひらには多数の感覚センサーがあり、床に触れることで様々な感触が脳に伝えられます。
このプランクバリエーションでは、腕を使い、前足と同じように体を支えます。これにより、体の安定性が向上し、体幹の強化にも繋がります。
片手と両足で三点支持となるこの方法は、特にバランス能力の向上に効果的です。
フロントプランクが前腕で体を支えるのに対し、ハンドプランクは手のひら全体で体を支えるため、より安定感があります。
手のひらの豊富な感覚センサーを利用することで、体の安定を効果的に高めることができます。
ハンドプランクとサイドプランクの組み合わせで全方向のバランスを鍛える
ハンドプランクからサイドプランクへの切り替えを行うエクササイズは、四点支持から二点支持への動きを交互に繰り返します。
このトレーニングでは、バランスの取り方が変わることにより、動きの中で体を安定させる必要があり、従来のプランクとは異なる運動効果が得られます。
ここでは、ハンドプランクとサイドプランクを交互に行うことで、単純な動きと複雑な動きを組み合わせることが可能です。
この方法は、脳や神経の活動パターンを切り替え、さまざまな運動効果を引き出します。
また、頭の位置が変わることで感覚器官のトレーニングにもなり、より多角的な体幹強化が期待できます。
モディファイトウォーク:ストレッチとトレーニングの融合
モディファイトウォークは、ストレッチ、体幹トレーニング、ヨガを組み合わせたハイブリッドなエクササイズで、柔軟性の向上と体幹の強化が同時に期待できます。
通常はパーソナルトレーニングの準備運動として取り入れられますが、日常的に運動をしない人にとっては十分なトレーニングとなり得ます。
時間が限られている人にも最適で、たった2~3回の実施だけで、効果的な運動効果を得ることが可能です。
ここで紹介するのは、異なるタイプのプランクを含む複合的な動きです。
ヨガのダウンドッグポーズとハンドウォークを取り入れたこのプランクは、半規管や耳石を強化し、めまいの改善に役立ちます。また、ハンドウォークは肩の安定性と体幹を強化します。
このエクササイズは少し強度が高いため、2~3回の実施だけで充分な運動効果が期待できます。
プランクトレーニングのまとめとポイント
プランクは基本的に単純な運動ですが、同じ方法を続けていると効果が停滞しやすいため、継続的な効果を得るには工夫が必要です。
プランクはさまざまなバリエーションを取り入れることができるトレーニングです。一つのスタイルに固執するよりも、多様な種類を短時間で実施する方がより効果的です。
この記事で紹介したトレーニング方法を参考に、各セットを約15秒から最長でも30秒間行うようにしましょう。
これにより、飽きずに続けることができ、より広範囲の筋肉を効率的に鍛えることが可能となります。